消費者が財布にあるお札や硬貨の数を気にすることなく、「ほしい」「食べたい」という消費行動を満たせるのが、キャッシュレス決済です。
近年では国内でもキャッシュレス決済のニーズが高まりつつあり、導入しておくことで客単価アップをはじめ、会計スピードの短縮、レジ締め作業の軽減などさまざまなうれしいメリットが期待できます。
この記事はキャッシュレス決済の導入に興味を寄せている店舗運営者に向けた完全ガイドです。キャッシュレス決済の仕組みや国内におけるキャッシュレス決済の利用状況、店舗やお客さまが得られるメリットなど、導入前に気になる点を網羅しています。低コスト、かつ簡単にキャッシュレス決済を導入できるSquareについても、本ガイドで紹介していきます。
目次
- キャッシュレス決済とは
- 国内におけるキャッシュレス決済の利用状況
- 代表的なキャッシュレス決済手段
- クレジットカード決済の仕組みと手数料
- 店舗側がキャッシュレス決済を導入するメリット
- お客さまがキャッシュレス決済を使うメリット
- 業種別で見る、キャッシュレス決済導入のメリット
- Squareでキャッシュレスをはじめるべき5つの理由
- Squareでキャッシュレス決済をはじめるには
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、紙幣や硬貨などの現金を使わない、電子的な支払い方法を指します。小銭を数えるといった手間がなく、端末に「カードを差し込む」「スマートフォンをかざす」だけで支払いが終わるなど、決済方法が非常にシンプルなのが特徴です。さっと決済を済ませたいときに選ばれる支払い手段でもあります。キャッシュレス決済の手段にはクレジットカードをはじめ、デビットカードや電子マネー、QRコードが含まれます。
国内におけるキャッシュレス決済の利用状況
日本は現金への信頼が厚く、長いこと「現金大国」とされてきました。キャッシュレス決済比率はようやく3割程度に達しましたが、世界の先進国のキャッシュレス決済比率を見ると、3割は決して高いほうではないことがわかります。半数以上の国が5割以上のキャッシュレス決済比率を誇るなか、日本は少し遅れをとっているといえるかもしれません。
キャッシュレス決済比率(2021年) | |
韓国 | 95% |
中国 | 83% |
オーストラリア | 72% |
英国 | 65% |
シンガポール | 63% |
カナダ | 63% |
米国 | 53% |
フランス | 50% |
スウェーデン | 46% |
日本 | 32% |
ドイツ | 22% |
参考:キャッシュレス・ロードマップ 2023(2023年8月、一般社団法人キャッシュレス推進協議会)
ただようやく3割にまで漕ぎつけた背景には、数年前からキャッシュレス社会の実現に向けて政府が主導してきたさまざまな施策があります。2018年には「キャッシュレス・ビジョン」が策定され、将来的にはキャッシュレス決済比率を世界水準の8割まで引き上げることを目指しています。
実際にここ数年でキャッシュレス決済の利用状況にはどんな変化があったのでしょうか。
参考:「キャッシュレスの将来像に関する検討会」のとりまとめを行いました(2023年3月20日、経済産業省)
コロナ禍がキャッシュレス決済を後押し
2019年から2020年にかけてキャッシュレス決済の利用や導入を促す「キャッシュレス・ポイント還元事業」が施行されたこともあり、店舗にも消費者にも着々とキャッシュレス決済の利用が浸透していきました。
参考:キャッシュレス・ポイント還元事業(2019年10月~2020年6月) (経済産業省)
こうしてキャッシュレス社会に向けた基盤が徐々にできていくなかで、キャッシュレス決済の利用を後押しする大きな出来事がありました。コロナ禍です。人との接触を減らすことが推奨され、キャッシュレス決済を以前よりも意識的に使う人が増えました。
電通が2022年に発表した調査によると、「2020年3月の緊急事態宣言以降、支払いや買い物に占めるキャッシュレス決済の比率が増えた」と回答した生活者は6割近くにもおよびました。
具体的な内訳は、以下のとおりでした。
17%: これまでほとんどキャッシュレス決済を使っていたが、さらにキャッシュレス決済が増えた
18%: これまで現金よりキャッシュレス決済のほうがやや多い程度だったが、キャッシュレス決済が増えた
13%: これまで現金決済がキャッシュレス決済より多かったが、キャッシュレス決済が増えた
7%: これまで現金しか使わなかったが、キャッシュレス決済が増えた
もともとキャッシュレスでの支払いに慣れていた人に限らず、現金中心の生活を送っていた人も、コロナ禍をきっかけにキャッシュレス決済の利用が増えたことがわかります。
参考:電通、第2回「コロナ禍における生活者のキャッシュレス意識調査」を実施(2022年01月21日、株式会社電通)
QRコード決済が急成長
ここ数年で著しく成長しているキャッシュレス決済方法として「QRコード決済」があります。
2021年にはQRコード決済のキャッシュレス全体件数に占める割合が前年比で79%増加し、翌2022年も前年比で43%増加しました。一般社団法人キャッシュレス推進協議会がまとめた「キャッシュレス・ロードマップ2023」によると、支払い件数でも平均利用金額でもQRコード決済は電子マネーを上回るほどです。
参考: キャッシュレス・ロードマップ 2023(2023年8月、一般社団法人キャッシュレス推進協議会)
「キャッシュレス派」は6割以上にもおよんでいる
これまではキャッシュレス決済を導入しなくても、なんとか対応していけるという印象があったかもしれません。ただ、2023年に実施された調査によると、自分のことを「キャッシュレス派」だと答えた全年代(20代から60代以上)の平均は61%で、半数以上が現金よりもキャッシュレス決済を好んで利用していることがわかります。
キャッシュレス派が今後もどんどん増えていけば、キャッシュレス決済への対応は避けて通れないものになっていくかもしれません。
参考:「現金派かキャッシュレス派か」を1,000人対象に実施したアンケート調査の結果を公開!~現金派38.9%に対しキャッシュレス派は61.1%~(2023年9月28日、株式会社モデル百貨)
代表的なキャッシュレス決済手段
最近では、各決済サービスのロゴがずらりと並んだ案内をレジ横によく見かけるようになりました。キャッシュレス決済とひと口にいっても、たくさんの種類があります。大きく以下の4つにくくることができるでしょう。
- クレジットカード
- QRコード決済
- 電子マネー
- デビットカード
「キャッシュレス・ロードマップ」によると、それぞれの利用件数に占める割合は以下のとおりです。
キャッシュレス全体件数に占める割合(2022年) | |
クレジットカード | 53% |
QRコード決済 | 24% |
電子マネー | 20% |
デビットカード | 3% |
参考:キャッシュレス・ロードマップ 2023(2023年8月、一般社団法人キャッシュレス推進協議会)
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
(1) クレジットカード
クレジットカード決済とは、その名のとおり、クレジットカードを使用して支払う決済方法です。決済端末にカードを差し込むあるいはかざすことで、支払いが完了します。
(2) QRコード決済
QRコード決済は、スマートフォンのアプリを介して決済する方法です。お客さまはスマートフォンでQRコード決済アプリを開き、店舗側のQRコードを読み取る、あるいは店舗に自身のQRコードを読み取ってもらうことで、支払いが完了します。
クレジットカードまたは銀行口座と紐づけて使うのが一般的のようです。サービスによっては、ATMなどからアプリに現金をチャージすることもできます。
(3) 電子マネー
電子マネーはスマートフォンのアプリを介して、あるいはICカードを利用して、その名のとおり、「電子」的に決済を行うキャッシュレス決済方法です。
具体的には、以下の支払い方法が含まれます。
- iD
- QUICPay
- Suicaをはじめとした交通系IC
上記の電子マネーはどれも電子的に支払う点では共通していますが、異なる点もあります。大きいところでいうと、入金のタイミングでしょう。詳しくは以下の表から見ていきましょう。
入金のタイミング | 当てはまる決済サービス | |
プリペイド型 | 前払い(事前にチャージ) | Suica、PASMO、楽天Edy、nanaco、WAON、iD など |
ポストペイ型 | 後払い(クレジットカードと紐づけ) | iD、QUICPayなど |
デビット型 | 銀行口座から即時引き落とし | iDなど |
事前にチャージしたり、あるいはクレジットカードと紐づけたりなど、利用者のライフスタイルによってどの決済サービスを利用するかが決まるともいえるでしょう。
電子マネーについて詳しくは以下の記事も参考にしてください。
▶️電子マネーを実店舗に導入する方法。ビジネスに合った方法を選ぼう!
(4) デビットカード
消費者が現金で支払いたいと思う理由は、もしかしたら想像がつくかもしれません。NIRA総合研究開発機構の「キャッシュレス決済実態調査」によると、20代から60代の回答者のあいだでもっとも回答数が多い理由は同じでした。ずばり「使いすぎてしまうから」です。
こういった消費者でも利用しやすいものとして、デビットカードがあります。デビットカードは銀行口座に紐づいており、決済をすると即時で決済額が引き落とされます。口座から残高が減っていくのがリアルタイムで見えるので、現金に近い感覚で利用できるでしょう。「Visa」や「Mastercard」など国際ブランドのマークがついているデビットカードなら、そのブランドの加盟店で利用できます。
参考:キャッシュレス決済実態調査2023(速報)(NIRA総合研究開発機構)
クレジットカード決済の仕組みと手数料
クレジットカード決済は、お客さまにとって後払いの決済手段です。そのため、購入したタイミングでは購入代金の受け渡しは発生しません。加盟店にはどのタイミングで売上金が支払われるのでしょう。
クレジットカード決済の仕組み
現金による支払いの場合、購入代金の受け渡しに関わるのはお客さまと店舗の従業員だけです。一方、クレジットカードでの支払いには、以下の5者が関わります。
- カード保有者(消費者):カードを保有し、利用する消費者
- 加盟店:カード決済を受け付ける事業者
- イシュア:消費者にカードを発行し、会員情報を管理する
- アクワイアラー:加盟店と契約し、管理する
- 国際ブランド:Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなど
上記の関係者が以下の6ステップを踏むことで、購入代金の受け渡しが完了します。加盟店に売上金が渡るのは、5段階のうち、2段階目です。具体的には以下のような処理が行われます。
- カード保有者(消費者)が加盟店で商品やサービスの購入代金をクレジットカードで支払う
- アクワイアラーが、カード保有者の購入代金を立て替える
- 購入代金から決済手数料を差し引いた額が、売上金として加盟店の指定口座に入金される(アクワイアラーと加盟店の間に、決済代行会社が入ることもある)。
- アクワイアラーが、イシュアにカード保有者の取引情報を送る
- イシュアがカード保有者に購入代金を請求する
- カード保有者の口座から購入代金が引き落とされる
以下の図を参照してみると、イメージが湧きやすいかもしれません。大雑把にいうと、店頭やオンラインなどでお客さまがカード決済をしたところから始まり、お客さまの口座から購入代金が引き落とされるところで、無事決済に関わる全段階が終わります。
クレジットカード決済にかかる手数料
クレジットカードでの決済は現金での決済と異なり、加盟店が決済ごとに3%から10%程度の手数料を負担します。実際にこの決済手数料は、何に充てられているのでしょうか。
加盟店と契約を結び、カード決済のインフラを提供するアクワイアラーは、決済手数料を主に以下のコストに充てています。
(1) インターチェンジ・フィー
お客さまのカード発行会社に支払われる手数料です。この手数料は、カード発行会社のカード会員管理コストなどに利用されます。
(2) 国際ブランドのライセンスフィー
この手数料は、Visa、Mastercard、American Express、Diners Club、JCBなど世界中で利用できるカードブランドのネットワーク利用料に当たります。
(3) リスク管理・不正利用対策コスト
クレジットカード決済を導入する際に気をつける点といえば、情報漏えいや不正利用のリスクです。お客さまの情報を安全に扱えているかどうかは、店舗の信頼性を大きく左右する点です。万が一情報が漏れてしまえば、事業者には罰金や補償など膨大なコストがかかってしまうことも考えられます。
上記三つに合わせて、決済代行会社にも手数料の一部が渡ります。使い道としては、加盟店により快適にサービスを利用してもらうための機能開発などです。これらの手数料は、それぞれどれくらいの割合で決済手数料を構成しているのでしょうか。参考として、Squareでは以下の図のように配分されています。
店舗側がキャッシュレス決済を導入するメリット
キャッシュレス決済を導入すると、店舗にはどのようなメリットがあるのでしょうか。どの業種にも当てはまるメリットを見ていきましょう。
1. 売上拡大につながる
現金決済にしか対応していないお店だと、お客さまは財布の残高が足りなければ商品の購入を諦めることになります。飲食店では「本当はドリンクセットを頼みたいけれど、現金が足りないから単品で……」といった選択がなされてしまうかもしれません。単価アップならぬ「単価ダウン」を複数のお客さまが実行していると想定すると、店舗にとっては知らぬ間に大きな機会損失が生じている可能性があります。
キャッシュレス決済に対応しておくことで、こういった機会損失をなくし、ひいては売上拡大にもつながることが期待できます。実際に経済産業省の調査によると、導入の上位の理由は「機会損失の回避」でした。
店頭で「キャッシュレス決済、使えますか?」と聞かれる頻度が増えているのであれば、そろそろ対応するタイミングかもしれません。
参考:キャッシュレスの将来像に関する検討会とりまとめ(経済産業省、2023年3月)
2. 訪日外国人の集客につながる
水際対策の緩和、そして終了に伴い、海外からの観光客が順調に日本国内に戻ってきています。三井住友カードと日本総合研究所の発表によると、カード1枚あたりの決済額は、2019年12月よりも2022年12月のほうが大幅に増えています。台湾では2.3倍、タイでは1.9倍となっています。また、JCBとアメリカン・エキスプレスが共同で実施した調査によれば、訪日外国人の増加に伴い、8割以上の店舗がクレジットカード決済の利用が増えたと回答しています。観光客の「食べてみたい」「お土産として持ち帰りたい」という気持ちを売り上げや集客につなげていくうえでも、キャッシュレス決済への対応は役立つでしょう。
参考:
・訪日外国人のクレジットカード消費動向レポート(2023年1月30日、三井住友カード株式会社、株式会社日本総合研究所)
・訪日外国人の増加に伴い、8割以上の店舗がクレジットカード決済の利用増加を実感(2024年2月28日、JCB)
3. 釣り銭の準備にかかる手間とコストが減る
現金を取り扱う際に手間がかかることといえば、釣り銭の準備です。店舗経営者なら、銀行に行って帰ってくるだけでもなかなかの時間がかかることはすでに肌で感じていることでしょう。最近では両替手数料も改定され、手数料の額も無視できないコストになりつつあります。キャッシュレス決済を導入し、利用者が増えてくると、銀行で現金を両替する頻度と、それに伴う手数料の削減が期待できます。
この効果を実感している飲食店があります。神楽坂にあるスペイン料理店「エスタシオン(Estación)」です。コロナ禍前までキャッシュレス決済が占める割合は5割ほどだったそうですが、最近では8割近くに増加しており、そのおかげで週に2回、両替のために銀行に行っていたところが、月に2回行くだけで済むようになったそうです。
銀行に行く手間が少し減るだけでも、時間に余裕ができるはずです。
4. レジ締めの時間が短縮する
キャッシュレス決済を導入すると、レジ締めにかかる時間も短縮します。たとえばSquare POSレジのように決済を受け付ける度に売上データを自動保存してくれるPOSレジと連携すると、1日の終わりには受け付けた決済額がPOSレジに表示されます。あとはキャッシュドロワーに入っている現金と合っているかどうかを確認するだけです。
さらにオールキャッシュレスにすると、レジ締め自体の必要がなくなります。たとえばカスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」の各店舗では基本的にオールキャッシュレスで決済を受け付けているため、スタッフは閉店時間の10分後には退勤できているそうです。レジ締めは一般的に30分ほどかかるといわれています。オールキャッシュレスの導入が作業時間の大幅短縮に貢献していることがわかります。
▶️CRISP SALAD WORKSの導入事例を詳しく読む
お客さまがキャッシュレス決済を利用するメリット
お客さまがキャッシュレス決済を利用するメリットも見ていきましょう。
1.支払いが楽、かつ早い
もたつくことなくスムーズに終えたいレジでの会計。キャッシュレス決済であれば、小銭を探す必要もなければ、従業員が「お返しは五、六、七千……」などと札束や小銭を数える時間を待つこともなく、支払いをさっと終えられます。
2.ポイントが貯められる
キャッシュレス決済にあって現金にはないうれしい特典といえば、利用額に応じて貯められるポイントでしょう。「旅行が好きだからマイルが貯まるカードを」「よく使うECモールでポイントが多くつくアプリを」など、還元率や特典内容をもとにキャッシュレス決済サービスを選ぶ消費者も少なくありません。「使った分だけ返ってくる」というお得さは、消費者をキャッシュレスに惹きつける点でもあります。
3.ATMの手数料がかからない
現金が必要なとき、近くによく使う銀行のATMがなく手数料を払わなければいけなかった……という経験はありませんか。ソニー銀行がコンビニATMの利用頻度を調査したところ、対象者の半数以上は月に1回もしくは2回利用すると回答しています。年間で計算すると約1,000円から3,000円ほど手数料に割いていると考えられます。仕方なく手数料を支払ったり、ATMをわざわざ探したりすることなく、食べたいものや欲しいものを手に入れられるのも、キャッシュレス決済のメリットです。
参考:
コンビニATM手数料の利用実態を調査(2016年11月 9日、ソニー銀行)
4. 利用履歴が残る
キャッシュレス決済を利用すると、支払履歴がクレジットカードの明細やQRコード決済のアプリなどに反映されるため、いつ・どこで・いくら使ったかを可視化しやすくなります。最近では家計簿アプリなどと連携できるサービスもあるようで、工夫次第で一層管理しやすくすることもできます。
業種別で見る、キャッシュレス決済導入のメリット
キャッシュレス決済の導入は業務効率化や売上拡大に役立ちますが、業種によってそのメリットは少しずつ異なります。ここでは飲食店と小売店に分けて、メリットを説明します。
飲食店でのキャッシュレス決済導入
1.会計が一段とスムーズになる
注文と会計を別々のお客さまから同時にお願いされたと思ったら、新たなお客さまが来店……!飲食店ではよくあることでしょう。お客さまを待たせずに、複数のタスクをこなしていくためには、単純作業の効率化が重要です。キャッシュレス決済であればお釣りを数えたり、計算ミスしないように気を使ったりなど現金特有の煩雑さから解き放たれて、会計時間をできるだけ短くできます。
2.手持ちの有無問わず入店してもらえる
キャッシュレス決済の導入は、集客につながることも考えられます。Squareが行った調査によれば、ひと月に1回以上カードを利用する人のうち、74%がクレジットカード決済に対応しているかをお店選びの基準にするそうです。新規のお客さまを獲得するうえで、このようなお客さまの選択肢からは除外されたくないところです。幅広いお客さまから選ばれるお店になるためにも、キャッシュレス決済は一役買います。
参考:Square調査、カード決済非対応が店舗経営の機会損失につながることを明らかに(2014年9月25日、Square株式会社)
3.追加オーダーで客単価アップが望める
現金払いのみの場合、飲食できる金額は財布の中身に縛られてしまいます。20代から60代の男女1,000人を対象とした調査によれば、財布に入れる現金の平均額は15,115円。1回の食事に財布の中身をすべて充てるとは限らないと考えると、会話に花が咲いたころに「もう1杯頼みたい。でも現金が足りない」となるお客さまもいるでしょう。
キャッシュレス決済に対応しておくと、お客さまの「あと一杯・あと一皿」が実現でき、客単価アップが期待できるのもメリットの一つでしょう。
参考:財布の現金 平均1万5115円(2018年7月7日、日経新聞)
Square加盟店であるmouの店主DJ Moriuraさんも、お客さまに飲食をより快適に楽しんでもらううえでキャッシュレス決済は一役買っているといいます。
「酔っ払っているときに現金を数えるのって面倒じゃないですか。mouは幸いコンビニが近くにありますが、ATMの手数料をお客さまに払わせるのも申し訳ないですし。クレジットカードが使えればその分もう1、2杯お話ができますよね」
ー下北沢(東京都世田谷区)にあるバー、mouの店主DJ Moriuraさん
小売店でキャッシュレス決済を導入するメリット
次に、小売店でキャッシュレス決済を導入すると得られるメリットも見ていきましょう。
1.売上アップが期待できる
お目当ての商品があった、たまたま通りかかり気になって入ってみたなど、お客さまが入店する理由はそれぞれでしょう。なかでも買いたい商品の値段を把握したうえで、十分な現金を持って店舗を訪れるお客さまは少数派かもしれません。現金払いのみの場合、手持ちがなく購入を諦めてしまうお客さまも出てくるでしょう。この際にキャッシュレスを別の決済手段として提案できれば、購入につなげることができるかもしれません。
機会損失を防いで客単価アップを狙ううえでも、キャッシュレス決済の導入は検討しておきたいところです。
2.見込み客の来店意欲をアップさせる
JCBが2019年に行った調査からは、キャッシュレス決済ができないと知ると来店意欲が「とても下がる」と回答した人と「どちらかというと下がる」と回答した人が、合わせて53%にも及ぶことがわかっています。気軽に来店できる店舗づくりにも、見込み客を逃さないためにも、キャッシュレス決済は打てる手の一つです。
参考:キャッシュレス決済に関する調査(株式会社ジェーシービー、2019年7月18日)
3.在庫管理が楽になる
小売店にとって、手間と時間のかかる作業といえば棚卸しです。キャッシュレス決済端末をPOSレジと連携し、商品登録をしておくと、売り上げはもちろんのこと、決済を受け付けるたびに在庫数がリアルタイムでデータとして更新されます。最近では低コストで導入できるPOSレジも増えています。このような機能を活用することで、在庫管理にかけていた時間をより優先度の高いタスクに充てられるようになるでしょう。
Square 加盟店でヴィーガンスイーツを販売している「ovgo Baker」では、実店舗をかまえる前にファーマーズマーケットで出店をしていました。キャッシュレス決済は当初から採用しており、さまざまなメリットを実感できていたそうです。
「クレジットカードで支払ってもらったほうが購入単価が高かったりするので、チャンスロスや手間と比較して考えるとキャッシュレス決済のほうが現金よりいいんじゃないかと思いますね。それにマニュアルで売り上げを記録するのって面倒じゃないですか。そこにかける時間を考えると、デジタルで記録が残ったほうがいいし、手数料分くらいは全然惜しくないと思います。小さいビジネスこそ入金が早いことも大事だし、そういう意味でSquareはいいんじゃないかと思います」
ー株式会社 ovgo 代表取締役 溝渕由樹さま
Squareでキャッシュレスをはじめるべき5つの理由
Squareでは個人事業主や開業したてのビジネスでも手が届く、お手頃な決済端末を提供しています。従来のような回線工事は不要。4種類の決済端末から、予算やニーズに合わせてお選びいただけます。
どの端末でもクレジットカードはもちろんのこと、QRコード、電子マネーを含むキャッシュレス決済を受け付けることができます。
タッチ決済(※)だけのご利用で十分という場合は、「Tap to Pay on Android」または「iPhoneのタッチ決済」の機能が便利です。お手持ちのAndroid端末またはiPhoneにSquare POSレジアプリをダウンロードするとタッチ決済が受け付けられるようになる機能で、無料で使うことができます。
※ここでいうタッチ決済は、タッチ決済対応マークがあるクレジットカードまたはモバイルウォレットに登録されたクレジットカードのみとなります。電子マネー決済には対応していません。
ここではSquareでキャッシュレス決済を導入すべき5つの理由を見ていきましょう。
1. 売り上げが最短で翌日に振り込まれる!
Squareでは、当日の売上額は最短翌営業日(※1)に振り込まれます。振込手数料が別途かかることもありません。「月1回の入金だと資金繰りが大変そう……」などを理由にキャッシュレス(※2)決済がなかなか導入できずにいた個人事業主や中小ビジネスでも、検討しやすい支払いサイクルでしょう。
※1: 三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合:0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合:毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。
※2: Squareで受け付けられるキャッシュレス決済には、Visa, Mastercard, American Express, Diners Club, Discover, JCB, 交通系IC(Suica, PASMO, Kitaca, TOICA, manaca, ICOCA, SUGOCA, nimoca, はやかけん), iD, QUICPay、QRコード決済(PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイ、WeChat Pay、Alipay+)が含まれます。
2. 最短申し込み当日から使える!
申し込みに必要なのはたったの数分。オンラインでいつでも、どこでも行えます。最短で申し込んだその日から(※)キャッシュレス決済を受け付けることもできます。
※決済端末はSquareショップからご購入いただけます。お届けまでに2日から5日程度かかります。
3. 決済手数料は一律、固定費はゼロ
キャッシュレス決済の利用にはつきものとされていた月額固定費も、Squareであれば無料。初期費用は決済端末の購入代金(Square リーダーなら税込で4,980円)のみです。他の決済代行会社でよくみられる事業規模や業種によって異なる決済手数料も、Squareなら業種を問わず一律3.25%(※)です。詳しい料金体系はこちら。
※年間キャッシュレス決済額が3,000万円未満の新規かつ中小企業の加盟店の場合、VisaとMastercardの決済手数料を2.5%でご利用いただけます。年間キャッシュレス決済額が3,000万円を超える場合、すべての決済手段においてカスタム決済手数料をご利用いただける可能性がありますので、営業チームまでお問い合わせください。
4. 豊富な機能が無料で利用できる!
小売店で役に立つ在庫管理機能や請求書の作成・送信機能、飲食店にはあるとうれしいオーダーエントリーシステムや複数店舗管理機能、あらゆる業種で活用できる売上レポート機能……これらを兼ね備えたSquare POSレジアプリは、無料で利用が可能(※)。使い始めるにはSquareのアカウント(無料)を作成するだけ。
※一部有料機能を除く。無料で使える機能はこちらからご確認ください。
5. 簡単に持ち運べる手のひらサイズ
屋外イベントやケータリング、宅配サービスなど、店の外でクレジットカード決済を受け付ける場面もあるかもしれません。従来の決済端末は有線、かつ重たいものも多く、外へ持ち運ぶことは難しいものでした。Squareには無線かつ片手で持てるコンパクトなサイズの決済端末(Square リーダー、Square ターミナル)もあるので、持ち運びも楽ちんです。多額の現金を持ち運ぶ負担も減ります。
Squareでキャッシュレス決済をはじめるには
Squareでキャッシュレス決済をはじめるのに必要なのは、以下にある四ステップだけです。
審査結果の通知が届き次第、決済端末を手に入れましょう。どの決済端末もSquare ショップから手に入れることができ、家電量販店からでも購入できます。取扱店舗はこちらから検索できます。
国内でも、海外のように現金よりもキャッシュレス決済を好む消費者が徐々に増えています。最近では低コストで導入できるクレジットカードの決済端末も登場しており、個人事業主や小規模事業者でも取り入れやすくなりました。お客さまの「食べたい」「欲しい」を満たし、売上拡大や集客にもつながるキャッシュレス決済を会計手段に加えてみてはいかがでしょうか。
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執筆は2020年8月13日時点の情報を参照しています。2024年11月1日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。