はじめてのネットショップ開業、流れやポイントをわかりやすく解説

最近では​生鮮食品や​酒類から​、洋服や靴、​手作りの​アクセサリーまで、​インターネット上で​多種多様な​商品・サービスが​手に​入るようになりました。​店舗でお客さまから​「オンラインで​注文できますか?」と​聞かれる​こともあるでしょう。販売機会を増やすためにも​ネットショップを​開きたいけれど、​どこから​手を​付けてよいのか​分からないと​いう​事業者も​多いかもしれません。
今回は​ネットショップと実店舗の違いや、ネットショップを​開業する​メリット・デメリット、​開業までの​流れ、ショップ運営の基礎知識を​詳しく解説します。

目次


ネットショップと​実店舗との​違い

そもそも​ネットショップと​実店舗だと、​どのような​違いが​あるのでしょうか。​以下の​表から​見ていきましょう。

項目 実店舗 ネットショップ
営業時間 決められた時間内で営業 24時間365日営業
接客 必要 不要
購入の決め手 商品を見たとき、試着・試食・試飲したときの印象、商品POP、店員の説明 写真や​動画、​説明文、​口コミ
商品数の制約 店頭に置ける商品数に限りがある 掲載する​商品数に​制約が​ない
質問・不明点の解消方法 店員にその場で聞く メールや​電話で​連絡する
意見の聞きやすさ 来店時に直接聞ける 対面で​意見を​聞けない
開店にかかる初期費用 ・物件取得費用
・内装・外装の工事費用
・備品などの諸費用
サイトの​構築・開設費用
店舗維持コスト ・家賃・人件費
・水道光熱費
など
・決済手数料代
・月額利用料金
・倉庫費用
など

同じように​商品を​販売していると​いっても、​店舗と​ネットショップでは​これだけの​違いが​あります。なかでも​ネットショップは、​お客さまがサイトに​アクセスさえすれば、​時間も場所も制限を受けることなく販売機会を創出できる点が大きな特徴です。店主が眠りに​ついている​深夜​3時でも、外国にいるときでも、ユーザーが好きなときに自分で購入手続きをとるため、営業場所も営業時間も関係なく売り上げを​生み出せる​ところが​大きな​メリットと​いえるでしょう。​一方、​お客さまとの直接のつながりや​交流を重視する販売形態の場合は​、実店舗の​ほうが​有利といえます。

開業までにかかる時間

​準備から​開店までに​かかる​時間はネットショップが数日~1週間程度、​実店舗では2カ月~数カ月と大きく異なります。

実店舗は、店舗に最適な場所探しから始めます。その後、物件の契約手続き、店舗の設計・改装、商品のディスプレイ、管理体制の構築などに数カ月かかるでしょう。一方、ネットショップでは、ネットショップのシステムを比較検討してサービスを決定し、システムを導入するだけで開業できます。早ければ、数日〜1週間程で販売を始められるでしょう。

ただし、Amazonや楽天市場のようなモール型ECでは出店審査があり、出店が決まった後に開店のための審査も発生します。出店決定までに1~2週間、開店の審査に1週間程度かかる場合もあります。出店審査申し込みからショップオープンまで、最低でも2~3週間程度はかかるでしょう。

開業にかかる費用

ネットショップと実店舗では、開業にかかる費用が大きく異なります。

実店舗を始める際には、店舗を借りる費用・工事費用・什器代・レジ周りの機器代などが発生します。また、商品の仕入れ代や人を雇う場合は人件費もかかるため、数百万~数千万の資金準備が必要です。

ネットショップの場合は、インターネットの空間にショップを作ります。ネットショップの運用システムに支払う初期費用や通信関連費用、商品の仕入れ代、発送用の梱包用品などの備品代、パソコンやスマートフォン・カメラなど、数万~数十万円あればショップの開店が可能です。

このため、初期費用を抑えたいケースでは、ネットショップが開業しやすいといえるでしょう。ネットショップは集客に時間がかかり、売れ出すまでに時間がかかるケースが多いです。初期費用だけでなく、ショップが軌道に乗るまでの間も月額利用料や販売手数料(システム利用料)などがかかることを意識しておきましょう。

もし、初期費用や月々かかる費用を抑えたい場合は、売り上げの決済手数料だけで運用できるネットショップのシステムの検討をおすすめします。

次に、​ネットショップを​開業する​メリット・デメリットを​見ていきましょう。

ネットショップ開業の​メリット

ここでは​ネットショップに​あって、​実店舗に​ない​メリットを​三つ紹介します。

低コストで始めることができる

​ネットショップを​開業する​最大の​メリットは、​初期費用・固定費用を​低く​抑えられる​点でしょう。​実店舗の​場合、​物件の​敷金・保証金、​内装・外装に​かかる​工事費用に​加え、​什器や​消耗品などを​揃えると​それなりに​費用が​かかります。​開業前に​金融機関から​資金調達する​事業者も​少なく​ありません。

ネットショップの​場合、​パソコンや​インターネット環境の​準備、​商品を​撮影する​カメラ、​独自ドメインの​取得費用や​システム利用料、​サイトの​構築費用などが​かかりますが、​実店舗に​比べて​初期費用は​圧倒的に​低く​抑えられます。

維持費や​人件費を​抑えて、​売上アップを​狙える

週に​7日間、​朝から​晩まで​店舗を​オープンしようとしたら​複数の​従業員を​雇い、​品出しや​接客に​あたる​必要が​あります。​営業時間が​長ければ​長くなる​ほど、​光熱費や​人件費がかさみます。​一方、​ネットショップの​場合、​24時間オープンしているので​お客さまは​深夜や​早朝など​好きな​タイミングで​購入できるうえ、​システムを​整えて​おけば​事業主一人で​運営する​ことも​可能です。​このように​維持費や​人件費を​抑えながら​売上アップが​期待できるのは​大きな特長といえます。

実店舗に​足を​運べなかった​層にも​リーチできる

実店舗だと、​客層は​店舗まで​足を​運べる​人に​絞られがちです。​「興味は​あるけれど​遠くて​行けない……」と​いう​お客さまに​商品を​届けられない​ことに、​歯痒さを​感じている​店舗オーナーも​いるかもしれません。​スマートフォンさえ​あれば​アクセスできる​ネットショップを​開けば、​あなたの​お店は​「いつでも、​誰でも​行ける​店舗」に​変わります。​全国発送にとどまらず、​海外への​発送も​可能に​すれば、​全世界の​お客さまに​商品を​届ける​こともできます。​リーチできる​客層が​広がる​ことは、​売上アップに​も​つながります。

東京都渋谷区に​ある​フェイシャルトリートメント専門店美肌室ソラは、​サロン専売の​スキンケア商品を​販売するネットショップ​(※)を​開いた​ことで、​遠方の​お客さまと​も​つながれるようになったと​話します。

※美肌室ソラでは、​Squareの​ネットショップ機能を​使いネットショップを​開設しています。​導入事例は​こちらから​読む​ことができます。

「沖縄とか​北海道とか、​遠くからの​方にも​買って​もらえるようになりました。​その方は、​まだ美肌室ソラに​訪れた​ことがない​方なんです。​それでも​商品の​販売を​通じて、​やりとりが​できるようになりました。​これは、​すごく​メリットが​ある​ことだと​感じています」ー美肌室ソラ店主 舘山信子さま

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ネットショップ開業のデメリットと対策

維持費や​人件費に​膨大な​コストを​かける​ことなく、時間や場所の制約も受けずに​売上アップが​期待できる​ネットショップですが、メリットばかりではありません。​しっかりと結果を出していく​には​ネットショップの特徴をとらえたうえでの対策が必要です。

周知と集客に​力を入れる

世界中、​あるいは​全国の​人が​お客さまに​なりえるのは​事実である​ものの、そもそもネットショップの​存在を​知って​もらわなければ、​商品の​魅力を​伝える​ことは​難しいでしょう。実店舗と異なり、ショップをオープンしただけでは、誰からも見つけてもらうことはできないのです。

SNSでの​発信は​もちろんの​こと、​広告機能を​活用したり、​ブログなどで共感を呼ぶコンテンツを増やしたりと、​ネット上での​存在感を​発揮していく​ことが​重要です。

お客さまとの​つながりを工夫する

実店舗で​あれば、​お客さまからも​店員からも​気軽に​声を​掛け合える​環境が​整っています。​​常連客に​ちょっと​した​サービスを​してみたり、​今後入荷予定の​商品に​ついてお伝えしたりなど、個々のお客さまに合わせた​接客もしやすいでしょう。

一方​ネットショップでは、​お客さまの​顔を​見る​こともできなければ、​会話を​交わす​こともないまま、​商品の​受け渡しだけが​行われます。​なかには​お客さまとの​つながりを​見出しにくいと​感じる​人も​いるかもしれません。​お客さまと​接点を​持つためには、​商品を​発送する​際に​「よかったらSNSも​フォローしてください」と​手書きの​メッセージを​添えてみるなど、​再び来店して​もらう​ための​工夫が​一層​大切に​なります。

価格競争に​巻き込まれない付加価値をつける

商品を​選ぶうえで、​価格を​重視する​人は​少なく​ありません。​潜在顧客が​たく​さんいたとしても、​目当ての​商品が​ほかで​​安く​販売されていれば、​そちらで​購入を​決めてしまうかもしれません。

アクセス数は​ある​程度​あるのに​なかなか​売り上げに​つながらない​場合は、単なる価格競争から脱出する魅力をもたせた付加価値をいかにつけるかを考え、マーケティングや商品開発、プロモーションに力を入れる必要があります。

ネットショップ開業サービスの​種類

ネットショップと​一口に​言っても、​さまざまな​開業方法が​あります。​ここでは、​(1)ショッピングモール型、​(2)ショッピングカート​(ASPカート)、​(3)ECパッケージシステムの​3種類に​ついて​紹介します。

(1)ショッピングモール型

ショッピングモール型は、​モール型ECとも​呼ばれています。​簡単に​いえば、​アマゾンや​楽天市場、​Yahoo!ショッピングなどの​インターネット上の​ショッピングモールに​出店を​する​ことです。​これらの​サービスを​普段の​買い物で​利用している​人も​多いのではないでしょうか。

現実の​デパートや​大型の​商業施設と​同じように、​インターネット上の​ショッピングモールには​毎日​膨大な​数の​利用者が​やってきます。​すでに​利用者に​信頼されている​ショッピングモール上に​出店する​ことにより、​集客を​事業者​自身が​行わなくても​済むと​いう​利点が​ある​一方で、​出店料・手数料が​比較的高い、​競合他社が​多く​価格競争に陥りやすい​などのデメリットも​あります。

【メリット】

  • ショッピングモール自体に​圧倒的な​集客力が​ある
  • ​自社で​ネットショップを​立ち上げる​必要が​ない

【デメリット】

  • 出店料、​販売手数料、​システム利用料などの​手数料が​高い
  • 競合他社が​多い​場合、​価格競争になる​可能性が​ある
  • 出店審査が​ある
  • 顧客情報を​自社で​管理できない

(2)ショッピングカート​(ASPカート)

ショッピングカートや、​ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)​カート、​ショッピングASPは、​ネットショップの​構築に​必要な​システムを​クラウド上で​提供する​サービスを​指しています。

登録費用や​月額費用を​支払う​ことで、​ネットショップの​開設・運営に​必要な​システムを​利用できます。​初心者でも​簡単に​使えるように​デザインされている​システムが​多く、ウェブサイト構築の専門知識がなくても商品や​値段などの​情報を​画面の​指示に​従って​登録していくだけで​ネットショップを​開業できるのが利点です。

代表的な​サービスには、​Square オンラインビジネス、​BASE、​STORES、​Shopifyなどが​あります。

自社で​サーバーなどを​用意する​必要がなく、​費用が​比較的安く​抑えられ、​手軽に​始められる​点が​特徴です。​一方、サービスに​よっては​デザインのカスタマイズが難しい、​登録できる​商品数に​制限が​ある、​商品が​売れる​度に​手数料が​かかる場合があるため、​業態や​売上規模に適したサービスを選択する必要があります。

【メリット】

  • 初期費用・固定費を​低く​抑えられる
  • サービスに​よっては​無料ではじめられる
  • 初心者でも​短期間で​ネットショップを​立ち上げられる
  • 顧客情報を​自社で​管理できる
  • ブランドや​お店の​個性に​合わせて​カスタマイズできる

【デメリット】

  • 自社で​ネットショップを​開設・運営する​必要が​ある
  • 集客を​自社で​行う​必要が​ある
  • サービスに​よっては​商品登録数など​機能に​制限が​ある

(3)ECパッケージシステム

ECパッケージシステムは、​ネットショップの​構築・運営に​必要な​機能一式がパッケージに​なっている​ソフトウェアです。​​ショッピングカート(ASPカート)より​機能が​豊富で、​拡張や​カスタマイズにも柔軟に対応できる​点が​特徴です。

高機能で​自由度が​高い分、​ショッピングカートに​比べて​かなり​コストが​掛かります。​ネットショップに​大きく​投資を​したい、​ある​程度の​売り​上げが​見込める、​きめ細かい​サービスを​ネットショップの​お客さまに​提供したいなどの​場合に検討するとよいでしょう。

代表的な​サービスと​しては、​ecbeing、​EC-ORANGE、​EC-CUBEなどが​あります。

【メリット】

  • ネットショップの​運営に​特化した​機能が​パッケージ内に​含まれている
  • 拡張性が​高く、​豊富な​機能を​追加できる
  • ブランドや​お店の​個性を​より​自由に​表現できる

【デメリット】

  • 初期費用や​固定費の​負担が​大きい
  • ウェブサイト制作の​専門知識と​スキルが​必要
  • 自社で​ネットショップを​開設・運営する​必要が​ある
  • 集客を​自社で​行う​必要が​ある

ネットショップ開業までの​流れ

ネットショップは​実店舗に​比べて開業費用などの​負担が​少ない​ことから、​副業や​兼業と​して​の開業を考えている​人も​いるかもしれません。​ここでは、​ネットショップ開業までの​流れを​おさらいしてみましょう。

扱う​商品を​決める

まずは、​販売する​商品・サービスを​決めましょう。​もうすでに​実店舗を​経営している​事業者なら、​ここは​スキップを​しても​いい​段階です。​ネットショップで​販売できるのは​有形商材だけでは​ありません。​ギターの​オンラインレッスン、​パーソナルトレーニングの​チケットなどの​無形商材の​販売に​ネットショップを​利用する​ことも​可能です。

また、​飲食店の​デリバリーや​テイクアウト商品の​販売なども​可能です。​お客さまとの​接触を​最低限に​減らしつつ、​電話で​注文を​取る​必要が​ないため、​従業員の​負担を​減らせます。

ここで​注意して​おきたいのは、​販売する​商品に​よっては​販売許可が​必要な点です。​販売許可の​取得には​数か​月かかる​場合も​あります。​事前に​どんな​許認可が​求められるのか​調べて​おきましょう。詳しくは、「ネット販売に​必要な​許可は​?​届出先や​申請方法を​商品別に​解説」でも紹介しています。

ショップの​コンセプトを​決める

実店舗と​同様に、​ネットショップにも​コンセプトが​必要です。​どのような​商品や​サービスを​提供するのか、​どんな​お客さまを​ターゲットに​するのか、​どの​価格帯で​販売するのか、​他の​ネットショップに​負けない点は​どこかなどを​考えながら、​コンセプトを​決めていきましょう。​他の​ネットショップや​ブランドを​参考に​してみても​良いかもしれません。

ネットショップでは​お客さまと​直接会話が​できない分、​デザインや​文章で​コンセプトを​伝える​必要が​あります。​たとえば、​同じ​野菜と​いう​商材を​扱う​ネットショップでも、​「農家が​丹精込めて​作った​季節の​野菜」を​会員向けに​定期配送する​お店と、​「野菜嫌いの​子どもでも​飲める​野菜ジュース」を​メインに​販売する​お店では、​商品数、​集客方法、​配送方法などが​まったく異なります。

システムを​決める

販売する​商品と​コンセプトが​決まったら、​次は​システムを​決める​段階です。​前述の​通り、​ネットショップの​開業には​さまざまな​方法が​あります。

高い​集客力の​ある​ショッピングモール型、​初心者にも​優しい​ショッピングカート​(ASPカート)、​自由度の​高いECパッケージシステムと、ネットショップの運営システムの特徴を踏まえ、​商材と​コンセプト、​そして​予算に​合った​システムを​選びましょう。

選ぶシステムに​よって、​初期費用と​ランニング費用の​負担に​大きな​差が​出てきます。​初期費用だけで​決めずに、​月額利用料金などの​固定費、​販売手数料や​決済手数料などの​取引に​かかる​手数料も​合わせて​比較しながら​決めましょう。​これらの運用費が​後々​大きな​負担になる​ことも​ありえます。

また、​どんな​機能を​利用したいのかも​ここである​程度明確に​して​おきましょう。​野菜を​会員向けに​定期配送する​お店なら、​会員登録機能が​必要に​なるでしょう。​飲食店の​テイクアウト用の​ネットショップなら、​ネットショップと​POSレジの​データを​連携して​おきたい​ところです。​商品の​バラエティで​勝負する​ネットショップなら、​商品登録数に​制限が​ない​システムが​向いていると​いえます。​ケータリングの​オーダーを​受け付ける​ための​ネットショップなら、​問い​合わせフォーム機能が​付いていると​お客さまには​親切です。

決済方法を​決める

どんな​機能を​利用したいのかを​明確に​する​段階で、​決済方法も​決めて​おきましょう。​システムに​よって​提供している​決済方法が​異なります。​また、​他社の​決済サービスとの​連携が​必要な​場合も​あります。

ネットショップに​導入できる​決済方法と​しては、​クレジットカード決済、​オンライン銀行決済、​キャリア決済、QRコード決済、​ID決済、​電子マネー決済​後払い​決済​などが​あります。​​事業に必要な決済方法が提供されているシステムかどうかを確認しておきます。​また​あわせて、各決済方法の​決済手数料は​必ず確認して​おきましょう。

キャッシュレス決済のなかでもクレジットカード決済は、​店舗での​支払いでも、ネットショッピングでも​、広く浸透している決済手段です。​決済方法が合わないためにお客さまを取り逃すことのないよう、ニーズを考慮しながら決済方法を決めていきます。

配送方法を​決める

いつでもどこでも購入できるだけでなく、商品の受け取り方も​多様化しています。​配送業者を​利用してお客さまの​登録住所に​届けるのは​もちろんの​こと、​ネットショップで​購入して​店舗で​詳しく説明してもらいながら受け取る​ケースもあります。大型​家具などは​​配送先で組み立てを​行う​場合も​あります。

どんな​配送方法を​設定するのか、​​配送料と併せて検討しましょう。​希望の​配送方法が​ない​場合、​お客さまが​他の​ネットショップに​流れてしまう​ことも​考えられます。​同業他社の設定を参考にするのもよいでしょう。

集客方法を​決める

商品、​コンセプト、​システム、​決済や​配送方法が​決まったら、​集客方法を​考える​段階です。​SEO対策は​もちろんの​こと、​最近ではSNSを​使った​集客も​ネットショップには​欠かせないと​いえます。

日本国内で​人気の​あるSNSには、​Facebook、​Twitter、​YouTube、​Instagram、​LINE、​note、​Tik Tokなどが​あります。SNSごとに​特徴が​あり、​利用する​層も​異なります。​また、​最近では​Instagramの​ショッピング機能のように、SNSで​見た​商品を​そのままスマートフォンで​手軽に​購入したいと​いう​層も​増えています。

手広くいろいろなSNSで​発信するのも​一つの​方法ですが、​個人や​少人数で​ネットショップを​運営している​場合、​​SNSに​使える​時間が​限られています。​ネットショップの​コンセプトや​ターゲットに​合わせて​使う​​SNSを​絞るのも​手です。

広告宣伝に​予算を​割ける​場合は、​インターネット広告や​動画広告を​出すこともできます。すでに​実店舗を​運営していて​顧客リストを​持っている​場合は、​メールマガジンや​ダイレクトメールも​有効な​手段です。

商品を​登録する

ネットショップの​概要が​見えてきたら、​最後は​商品の​登録です。​商品の​登録は​新商品が​入荷する​度に​発生する​作業ですが、​最初の​商品登録が​一番​時間が​かかるかもしれません。
特に​商品数が​多い​ネットショップでは、​商品登録を​代行してくれる​業者を​利用する​ケースも​あるようです。

商品登録は​商品名と​価格の​登録だけでは​ありません。​商品や​サービスの​説明や​画像は​もちろんの​こと、​たとえば​野菜を​定期配送する​お店なら​野菜の​美味しい​食べ方や​おすすめの​レシピ、​野菜ジュースの​お店なら​実際に​飲んだ​お客さまからの​感想などを​載せる​ことで、​お客さまの​購入意欲を​刺激できます。

画像などを​見て​直感的に​お買い物を​する​お客さまも​いれば、​ネットショップに​掲載されている​情報を​つぶさに​チェックして​熟考した上で​購入する​お客さまも​います。​なるべく​豊富な​画像と​情報を​掲載するようにしましょう。

開業届を提出する

個人でネットショップを開業する場合は、「個人事業の​開業・廃業等届出書」を管轄の税務署に提出しましょう。これは、事業を開始から1カ月以内に提出することが定められています。

開業届を出すメリットは、確定申告時に青色申告ができる点です。開業届を提出しなくても罰則はありませんが、開業届を出しておいたほうが節税効果が高まります。

青色申告をする場合、開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出しておく必要があります。

ネットショップを開業する際の注意点

ネットショップを開業する際には、法律などで定められたルールを守る必要があります。ルールを守ってショップを運営することが、顧客からの信頼につながります。

「特定商取引法に基づく表記」の記載が必要

特定商取引法では、通信販売や訪問販売など、トラブルになりやすい取引において、消費者を守るためのルールが定められています。
ネットショップも特定商取引法の対象であり、主に下記の事項をサイト内に記載しなくてはなりません。

  • 販売業者の名称・代表者か通信販売の業務責任者の氏名・住所・電話番号
  • 販売価格(送料、ラッピングやオプションなどの価格についても表示)
  • 代金の支払い方法・支払い期限、商品の引渡時期・期間
  • 返品・キャンセルについて
  • 瑕疵担保責任について特約がある場合は記載
  • 販売数量の制限等の条件がある場合は記載

特定商取引法に違反した場合は、業務停止命令や、懲役や罰金などの罰則を伴います。加えて、法改正により2022年6月以降は、注文を確定する前の段階で、商品の分量・販売価格・支払い時期などの6項目をお客さまが簡単に確認できるように表示することが求められています。詳しくは、「ネットショップ運営で​知っておくべき特定商取引法を​わかりやすく​解説」でも説明しています。

許可や資格の取得が必要なことも

ネットショップは「何でも自由に売れる」イメージがあるかもしれませんが、販売するものによっては法的な規制がかかります。また、システム提供会社が独自ルールで禁止している場合もあります。
ネットショップで取り扱う商品が決まったら、仕入れをする前に、下記を確認しておきましょう。

  • 取り扱いに資格や許可が必要ではないか
  • その商品の取り扱いが法律や規制でどうなっているか
  • カートシステムの規約に違反しないか

<主な取り扱い商品と必要な資格・許可>

取り扱い商品・カテゴリ 必要な資格や許可
通信販売酒類小売業免許
食品 食品衛生法に基づく営業許可
中古品 古物商許可
化粧品 ・化粧品製造販売業許可
・化粧品製造業許可
マッサージ器、コンタクトレンズなど ・高度管理医療機器
・管理医療機器

これ以外にも、医薬品の販売には実店舗が必要ですし、健康食品に関しては複数の法令に注意しなければいけないなど、商品によって資格や許可を取得するまで長期間かかるケースがあります。

輸入関税がかかることもある

ネットショップで販売するために、海外から仕入れるケースもあります。輸入した商品には、基本的に関税がかかり、関税は輸入した人が支払う税金です。販売を目的とした商品を輸入した場合にかかる関税についてみていきましょう。まず、課税の対象とされる課税価格は、商品代・送料・保険の合計です。個人の使用目的で輸入したものとは課税対象も、税率も異なるので注意が必要です。

販売を目的とした輸入の場合は、課税価格に関税率をかけて計算されます。関税率は輸入品や国により非常に細かく分類されています。専門的な知識が必要になるため、自分で輸入申告書を作成する場合は、正確な税番と関税率の税関への確認が必要です。

輸入額が少額の場合は、簡易税率が用いられるケースがあります。簡易税率は商品によって、無税~20%までの6区分とアルコール飲料の3区分になっており、商品に応じた税率が適用されます。課税価格が1万円以下の場合は、関税はかかりません。例外として、革製のカバン、手袋、靴など免除の対象にならないものもあります。

確定申告が必要になるケースも

個人事業主や個人の場合、1月1日から12月31日までの所得を計算し、所得に応じた所得税を申告、納税するのが確定申告です。
所得は、売り上げから経費を差し引いたものです。ネットショップを副業で行っている人は所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。

青色申告の届出をしている場合は、最大65万円の控除を受けられます。青色申告の場合は赤字でも確定申告しておきましょう。赤字を3年間持ち越せるため、翌年黒字になれば相殺できます。
青色申告の届出をしていない場合は、自動的に白色申告になります。

ネットショップを経営するうえでのポイント

ネットショップは手軽に始められるだけに、無計画に出店すると利益が出ずに悩むことになりかねません。事前に、仕入れや販売戦略、資金繰りなどの計画をしっかり立て、ネットショップの運営についても勉強をしておきましょう。

事前に利益計画を立てる

ネットショップを始める際に、利益計画を立てておきましょう。「売り上げ」「費用」「利益」を具体的な数字で考え、目標を設定します。何をどれくらい売ればいいのか、仕入れはどれくらいの金額で行うべきかを計画しましょう。

また、ショップで商品が売れても、実際に入金されるまでには期間が空きます。決済方法や、出店モールによりその期間は異なるため、入金のタイミングの確認と、入金されるまでの資金繰りについても考えておく必要があります。

在庫を仕入れ過ぎない

ネットショップ開業当初に、大量に仕入れるのは避ける方が無難です。売れずに在庫になってしまうケースが考えられるためです。

まず、在庫は倉庫内で場所を取ります。そして、資金を大量仕入れにつぎ込んだために、次の仕入れができないというケースも考えられます。そして、売り切るために、値段を下げざるを得ない状態になってしまえば、利益が確保できず赤字になる可能性すら起こります。

長期在庫になるのを避けるために、商品は様子を見ながら仕入れましょう。在庫を少なくして商品の回転率を上げる方法が効率的です。一定数の売り上げがあり、売れる数量の見通しが立ってからの大量仕入れが安心な方法といえるでしょう。

炎上リスクのある表現は避ける

ネットショップの商品説明や価格、メルマガなどには十分に注意が必要です。打ち間違いや過大な表現のために炎上してしまうと、ショップの信用にも傷がつくだけでなく、お客さまとの信頼関係の回復に大変な時間と努力が必要になります。

事実とは異なるうそや大げさな表現は景品表示法で禁止されています。合わせて、注意すべきは、「価格のけた間違い」「クーポンなどの利用条件・値引き率の間違い」などです。また、読んだ人が不快な気持ちになるような表現にも注意が必要です。

チェックリストを作成したり、複数人でのチェックをしたりするなど、うっかりミスや意図しない表現のミスを予防する対策を取っておきましょう。

リピーター獲得の工夫をする

ネットショップでは集客が売り上げに直結するポイントです。その中でも、購入歴のある人はあなたのショップの商品がどのようなものか、サービスはどうかをよく知ってくれているお客さまです。そうしたお客さまがショップのファンになってもらう工夫をしましょう。

まず、迅速な発送は好感度の高いポイントです。商品の梱包は丁寧に行うのは言うまでもありませんが、手書きのお礼状を添えるなど、ショップ運営者の人となりが感じられるようなコミュニケーションもファンづくりには有効です。また、商品発送時に、リピーター用の割引クーポンを同梱するなど、次の購入を促す施策を行うという方法もあります。

メルマガで、お客さまとコミュニケーションを取るというのも一つの方法です。ただし、お客さまにとって有意義でないメルマガは登録解除される原因にもなります。良質な情報とタイムリーなメルマガの配信により、サイトまで来てもらうきっかけを作りましょう。

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実店舗に​比べて​開業の​ハードルが​低い​ネットショップですが、​利用する​システムに​よっては​高額な​コストが​かかる​ことも​あります。​「ネットショップで​どれくらい​利益が​出せるか​分からない」​「個人事業主なので​簡単に​できる​ものが​いい」​「実店舗も​経営してるので、​負担を​増やしたくない」などの​場合、​Square オンラインビジネスが​おすすめです。

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また、​実店舗を​運営している​事業主に​嬉しいのは、​POSレジとの​連携です。​ネットショップと​店舗の​POSレジデータが​連携し、​売り上げ、​在庫、​顧客情報などを​まと​めて​管理できるので、​運営負担を​減らせます。

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執筆は2020年11月30日時点の情報を参照しています。2024年6月24日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash