今やどの事業にも欠かせないホームページ。その大きなメリットは、多くの人に事業の内容を知ってもらえることです。サービスや商品、店舗の場所や営業時間、経営者の思いや事業の沿革などをまとめたページをインターネット上に用意しておけば、検索を通じて発見される可能性が広がるだけでなく、取引先に事業を説明する場面で紙の資料を用意する必要がなくなります。さらにSNSなどにリンクを設置しておけば、偶然投稿を目にして興味を持った人々により多くの情報を伝えられるため、来店や購入といったアクションにつながるでしょう。
「ホームページの作成にはお金がかかる」というイメージがあるかもしれませんが、実は今、自分で簡単にホームページを作成できる無料ツールがたくさんあります。今回はホームページ作成ツールを選ぶ際の検討ポイントや代表的なツール、ツール利用のメリットや注意点を見ていきましょう。
目次
- 無料ホームページの作成方法
- 業種別の検討ポイント
・小売業
・飲食業
・不動産業
・美容業
・教育業 - 簡単でおすすめ!無料ホームページ作成ツール厳選4選
・(1) Wix:ドラッグ&ドロップで自由にカスタマイズ
・(2) BiNDup:自動作成機能でラクラク
・(3) ペライチ:1ページのシンプルデザインを手軽に
・(4) Square:ECサイトとしても予約サイトとしても利用できる! - 無料ホームページ作成ツールを利用するメリット
・コストを最小限に抑えられる
・専門知識が必要ない
・デザイン性の高いテンプレートが使える
・すぐにサイトができあがる
・ネットショップとして利用できることも - 無料ホームページ作成ツール利用時の注意点
・広告が表示されるのが一般的
・機能やカスタマイズの自由度に制限がある
・独自ドメインの利用は有料 - まとめ
無料ホームページの作成方法
ホームページを作成する方法には
- HTMLやCSSなどを使って作成する
- 制作会社に依頼する
- ホームページ作成ツールを使う
という方法があります。HTML・CSSなどで作成する方法は、ある程度知識が必要なため、初心者にはハードルが高いかもしれません。制作会社に依頼する方法では、初期費用として数十万円かかることもあり、ビジネスを始めたばかりの事業主には負担が大きいでしょう。そこでおすすめなのが無料のホームページ作成ツールです。テンプレートを選んで写真や文字を入力するだけで、初心者でもホームページを簡単に作れます。
業種別の検討ポイント
この章では、業種別に無料ホームページ作成ツールを選ぶ際のポイントを紹介します。
小売業
お店の紹介だけでなく、さらにネットショップ機能があれば商品を販売するチャネルを増やすことができます。ネットショップ機能を持たせたい場合は、商品数や画像の掲載点数に上限があるのか、ある場合は何点までなのかを確認する必要があります。また、決済システムは使いやすいか、決済手数料はいくらなのかも検討するポイントといえるでしょう。
飲食業
飲食業でホームページを作成する際には、メニューを掲載できるテンプレートがあるかどうかをチェックしましょう。また、予約システムとの連携は可能か、問い合わせフォームはあるか、クーポンや季節限定メニューをお知らせするブログ機能はあるか、地図を埋め込むことができるか、テイクアウト用のページが設置できるかなども検討項目となります。
不動産業
物件の外観はもちろん、収納を含めた内観写真を多数掲載して、お客さまにどのような物件であるかを伝える必要があります。写真の掲載点数に制限があるかどうかを確認するとよいでしょう。また、地図が埋め込めるか、問い合わせフォームが簡単に作れるかなどもホームページ作成ツールを選ぶ際のポイントになります。
美容業
美容室や美容サロンがホームページを作成する場合は、お店の雰囲気やメニューがしっかり伝わるテンプレートがあるツールを選ぶとよいでしょう。また、予約システムと連携できるか、InstagramなどのSNSと連携できるか、口コミやレビューを掲載できるかも比較検討のポイントとなります。
教育業
学習塾などを営んでいる場合は、講座の情報を詳細に掲載する必要があります。また、体験授業の申込フォームや、入塾を検討しているお客さまが気軽に問い合わせできるフォームを設置できるかどうかも重要なポイントとなるでしょう。また、FAQを作ることができるかどうかも確認するといいかもしれません。
簡単でおすすめ!無料ホームページ作成ツール厳選4選
無料でホームページを作成できるツールにはさまざまな種類があります。ここでは4社のサービスについて、それぞれの特徴を見ていきましょう。
(1) Wix:ドラッグ&ドロップで自由にカスタマイズ
Wixは、イスラエル生まれのホームページ作成ツールです。専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で簡単に質の高いホームページを作ることができます。美しいテンプレートが充実しているのも特徴で、その数は900点以上。ほかにも、メルマガやSEO、顧客管理などビジネスに必要な機能を利用できるほか、アプリを連携させてウェブサイトの機能を広げることも可能です。
また、2024年には「AI サイトビルダー」という機能も登場。AIにチャットでデザインや機能の要望を伝えるだけで、レイアウトやテーマ、文章、画像などを組み込んだサイトデザイン案が瞬時に生成されるため、細部を調整するだけであっという間にホームページの完成です。なお、Wixには日本語でのサポートもあります。
無料で利用できる機能の例
- 500MBのデータ容量と1GBの帯域幅
- モバイル対応
- 無料のWixドメイン設定
- SEO機能
- AIによるホームページの生成
- サイトの機能を拡張できるアプリの追加
(2) BiNDup:自動作成機能でラクラク
BiNDupは、ノーコードで本格的なウェブサイトを作れるCMS(コンテンツ管理システム)です。SEO対策やネットショップ、ブログ、問い合わせや資料請求に使えるウェブフォームなど、ホームページに必要な基本機能がそろっており、テンプレートを編集するだけですぐにサイトを公開できます。作成だけでなく更新も簡単で、こまめにホームページの内容を更新したい人に向いているでしょう。
またカスタマーサポートも充実しているほか、ウェブ運用スキルを上げるためのコンテンツも豊富に用意されています。無料で利用できるのはエントリーコースの3カ月間のみで、4カ月目からは月額利用料として528円(税込)が必要です。
無料で利用できる機能の例
- 1GBの公開容量
- モバイル対応
- 400種類以上のテンプレートの利用
- ブログ機能
- ネットショップ機能(5商品まで)
- ウェブフォーム機能(集計データの閲覧は直近100件まで)
(3) ペライチ:1ページのシンプルデザインを手軽に
ペライチは幅広い業種に対応したシンプルなホームページ制作サービスです。好きなテンプレートを選んで、掲載したい文章や画像を入力し、公開するだけの3ステップでスマートフォンにも対応したホームページを作成できます。無料のスタートプランで作成できるのは1ページのみですが、シンプルな予約や決済機能の利用も可能です。
ペライチでは初心者向けのサポートに力を入れており、利用前の個別無料相談会のほか、使い方動画や解説記事、オンラインセミナーなども提供しています。また無料プランにも3回までの無料個別サポートが含まれており、利用開始後の疑問を相談して解消できるため、初めてのホームページ作成が不安な人にとっては心強いでしょう。
無料で利用できる機能の例
- 1ページのサイト作成(累計10,000PVまで)
- 無料のペライチドメイン設定設定
- 決済(決済手数料6%〜+40円)
- 予約(日程調整機能のみ)
- アプリの作成
(4) Square:ECサイトとしても予約サイトとしても利用できる!
アメリカで生まれた決済代行会社Squareも、ホームページ作成ツールを無料で提供しています。ビジネスタイプごとにシンプルで美しくデザイン性の高いテンプレートがそろっており、簡単なステップで文章や写真を入力するだけで、ホームページが完成します。
Squareの特徴は、店舗経営に役立つ幅広い機能を無料で使える点です。ホームページだけでなく、本格的なネットショップや予約サイトも作成でき、それらのデータをすべてを1カ所で管理できます。また、POSレジ、在庫管理、顧客リストなどの機能とも連携できるため、店舗運営を効率化したい人に最適です。
無料で利用できる機能の例
- モバイル対応
- ネットショップ機能(商品掲載数無制限)
- 予約(Square 予約との連携)
- 決済(決済手数料3.6%)
- SEO機能
- SNSとの連携
無料ホームページ作成ツールを利用するメリット
ここで改めて、無料ホームページ作成ツールのメリットを整理しておきましょう。代表的なのは以下の5点です。
コストを最小限に抑えられる
ホームページの制作を業者に依頼すると、デザイン費やコーディング費用のほかに、保守費用、さらにはコミュニケーションコストがかかります。一方、無料のホームページ作成ツールを利用すれば、そうしたコストは一切発生しません。またホームページ作成ツールの多くは簡単に操作できることから、手間や時間といった間接的なコストも最小限に抑えられます。
専門知識が必要ない
少し前まで、ホームページの制作にはHTMLやCSSの知識が必須でした。しかし、ホームページ作成ツールを利用すれば、基本的にはテンプレートを選んでコンテンツを埋めるだけで完成するため、コーディングの知識がなくてもホームページが完成します。思い立ったら自分で手軽に作れるという点は、スピーディに事業を展開したい人にとっては大きなメリットでしょう。
デザイン性の高いテンプレートが使える
一般的に無料のホームページ作成ツールでは、目的ごとに豊富なテンプレートが用意されており、なかにはデザインに優れたものもあります。テンプレートはカスタマイズできる場合が多く、セクションの配置やサイズ、スペースなどを希望通りに編集することも可能です。各サービスで目的に合うテンプレートを見比べてみて、気に入るデザインを探してみるのもおすすめです。
すぐにサイトができあがる
ホームページの制作を業者に依頼すると、どうしても時間がかかります。またタイムリーに更新したくても、都合よく作業してもらえるとは限りません。一方、ホームページ作成ツールを使えば、自分が必要なタイミングでサイトを作成できるほか、更新も速やかにできます。たいていの作成ツールでは簡単な操作でホームページを作成および更新できるため、シンプルなものであれば作業時間もそんなにかかりません。
ネットショップとして利用できることも
無料のホームページ作成サービスのなかには、ネットショップ機能を備えているものもあります。たとえば上で紹介したSquareには、本格的なネットショップ作成プラットフォームが含まれており、商品マスタの作成からサイトの構築まで、ネットショップの開設に必要な作業を効率よく進めることができます。
さらに、商品の在庫管理やInstagramとの連携など、ネットショップの運営に役立つ機能も充実しています。これらの機能はすべて最初から備わっているため、外部アプリなどを追加する必要はありません。
無料ホームページ作成ツール利用時の注意点
無料ホームページ作成ツールにはメリットが多い一方で、無料ゆえの制限もあります。使い始める前に特に理解しておきたいのは次の3点です。
広告が表示されるのが一般的
多くの無料ホームページ作成サービスでは広告が自動表示されます。非表示にするには有料プランの契約が必要になるサービスがほとんどです。
広告が表示されても特に問題はないと考えるかもしれませんが、内容次第ではホームページを訪れた人が意識を取られたり、不快に思ったりすることで離脱のリスクが高まります。また、情報が見つけづらくなる可能性が高まるほか、そもそも広告自体を煩わしく思う人にとっては、ホームページ自体、ひいては事業に対する印象が悪くなるかもしれません。
機能やカスタマイズの自由度に制限がある
多くのホームページ作成サービスでは、無料版で使える機能が限られています。制限内容はサービスによって異なり、たとえば上で紹介したペライチの場合はフォーム設置機能やブログ機能を無料プランだと使うことができません。
また、どのサービスでもカスタマイズできる範囲は有料版の方が広いため、オリジナリティのあるページを作りたい人には物足りないかもしれません。
独自ドメインの利用は有料
ホームページ作成サービスの無料版では、自由に設定できるのはサブドメインのみというケースがほとんどです。その場合、URLにホームページ作成サービスの共有ドメインが含まれることになるため、URL自体が長くなり、名刺に掲載したり人に共有したりする際に不便を感じるかもしれません。また、せっかく屋号や店舗名、会社名をサブドメインに含めても、ホームページ作成サービス名の名前が含まれることで誤解を受ける可能性もあります。
なお、ドメインを途中で変更することはSEOの観点から避けた方がよいでしょう。というのも、検索エンジンはドメインごとにサイトの内容を評価しており、有益なコンテンツを発信するドメインを優先します。よいコンテンツを発信し続けて検索エンジンからの評価が高まっても、途中でドメインを変更してしまうと、それまでの評価が失われかねません。
そのため、ドメインについては「とりあえずサブドメインでいい」と判断せず、「ずっと変えない」前提で考えるのがよいでしょう。
まとめ
ホームページ作成ツールを選ぶ際は、上記のドメイン以外に後々のことを考えておくとよいでしょう。今はとりあえず事業を紹介する簡単なページがあればよいと考えていても、ほかの業務システムと連携できたり、必要な機能をあとから簡単に追加できたりする拡張性があるものを選んでおけば、将来事業が成長したときにスムーズに対応できます。今回の記事を参考に、事業に最適なツールを探してみてください。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2018年3月20日時点の情報を参照しています。2025年2月14日に記事の一部情報を更新しました。 当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by,Unsplash